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マンション管理の特異点

マンション管理に役立つ法律やルールをコペルマンがわかりやすく解説

マンションの義務違反者に対する措置

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共同の利益に反する行為の停止

 義務違反者に対する処置の一つとして、区分所有法には共同の利益に反する行為の停止に関する条文がある。

第五十七条 区分所有者が第六条第一項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる。

  理事の方もそうでない方も是非とも頭の片隅にこの情報を知識として置いておいていただきたい。今は問題がなくても、こう言った条文をアナタのお隣さんと情報共有するだけ潜在的な発生の抑制につながるに違いない。

 

マンションにおける違反行為とは

 異臭や騒音、破壊または妨害物の設置などがある。異臭は、生ゴミを溜め込んでゴミ屋敷化しているような状況だ。騒音は、大音量の音楽や子供が飛び跳ねたりすること等で生じる不快な騒音だ。破壊行為は共用部分のみならず、専有部分にある構造上重要な壁や柱、床などを破壊変更することなどがあげられる。そして、自転車や車を所定の位置ではなく、マンションの玄関前等に駐車すること等が妨害物の設置だと思ってもらえればイメージしやすいかもしれない。もちろん、自転車や車だけでなく、創作物の設置もNGだ。

 

認識の盲点

 ここで、大多数の方が最初に取り得るアクションに「管理会社への通報」があると思われるが、その盲点について触れておきたい。それは、委託先の管理会社には免責事項があることだ。これは善意管理注意義務の範囲でしかアクションをしなくても良いことになっており、進展や解決が望めない場合は、管理会社は責任を免れることができる仕組みになっている。毎月管理費を支払っていてもだ。

 

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アクションの仕方

 管理組合が法人化されていない場合は、区分所有者全員で違反者に対して行為の停止を請求することが可能だ。管理組合が法人化されている場合は、管理組合法人主導での請求が可能となる。この単なる請求だけではインパクトが弱い場合は、集会の普通決議により差止請求訴訟に持ち込む形も可能だ。

 では、全員が請求することもできず、訴訟提起のための賛成者が集まらない場合はどうしたら良いのだろうと悩む方もいるかも知れない。しかし、この場合には、アナタが被害者となっている場合には、個別で民法709条等により損害賠償請求に持ち込む形で抑制する選択肢もある。

民法709条

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を損害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

間接強制による抑制 

 間接強制とは、違反者に対して金銭の支払い命ずることで心理的に強制することを指している。なぜならば、アクションは基本的に行為の停止やその結果の除去に対する「請求」となっているからだ。「請求」に対するリアクションを違反者に強いることで再発を抑制している。再発してしまうような仕組みなら、何のために決議し、訴訟まで持ち込んだのかわからなくなるからだ。アナタの財産を守るのは、アナタしか居ないのだ。自分一人だと思って不安になる必要は全くない。アナタを味方する法律も存在しているのだから。